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旅行記6−北海道新婚旅行も駅三昧? ●前の旅行記へ


■平成13年9月2日〜9月7日

私は3度ほど、鉄道で北海道を旅したことがあったが、今回は鉄道が趣味ではない嫁様も同行する「新婚旅行」という名目なので、初めて飛行機と車を使った北海道旅行をすることとなった。


【1日目行程:神戸・三ノ宮〜(バス)〜伊丹空港〜(飛行機)〜新千歳空港〜(以後レンタカー)〜夕張〜トマム(泊)】

まず1日目、早朝に家を発ち、バスで伊丹空港へ。そこから、初体験の飛行機に搭乗した。「こんな大きなものが、なぜ空を飛ぶのかがわからない」と首を傾げていると、あっと言う間に新千歳空港に到着。窓の外には白樺が並んでいる。
空港に降り立っても、まだここが北海道だという実感が湧かない。釈然としないままバスでレンタカー村へ運ばれ、レンタカーを借り受ける。
自分でハンドルを握り、広大な台地に伸びる道路を走ることで、ようやく「今、北海道にいる」という感覚が芽生え、時間差で感動したのであった。

最初の目的地、夕張市を目指す。夕張は玄人向けの観光地だが、前回、鉄道で訪れ、街を歩いたことがあり、ここは「北海道を知る上で、避けては通れない象徴のうちの1つ」のような街だと思っている。
市街地に至るまでの原生林が、夕張の地形の険しさを物語っているが、市街地の「時が止まったような」雰囲気もまた感慨深いものがあり、人間が北海道の奥地に築き上げた繁栄と、現在の姿とのギャップには、多くのことを考えされられる。

感慨に耽るだけでは能がないので、高台にある「めろん城」を訪れる。一通り見学した後、お土産(兼お祝い返し)にメロンゼリーとメロンワインを求め、直接送り先に発送する。余裕のあるうちにお土産を買っておかないと、後々少ない残金で適当に選ぶ羽目になってしまうので、旅行初日にしてお土産作業はすべて完了させたが、送り先の受けは上々で、とてもよい買い物ができたと思う。

次の目的地は占冠村。某サイトで詳細に解説された「ニニウ」集落にあこがれがあり、まずはニニウを目指す。穂別町福山の交差点から延々とダートの道路が続くが、あまりの距離に、運転しながら車酔いになってしまった。助手席では嫁様が同じく車酔いで気を失いかけている始末…。

あまり良くない体調でも、ニニウの原自然と、そこにかつて集落や学校があり、生活が営まれていたことに感動を覚えつつ、占冠村の中心を目指し、再び車を走らせる。
道は太くなったり細くなったりで、距離も長い。運転に集中していると、折角の景色も堪能できない。これはまた出直さなければと思いつつ、先を急ぐ。

占冠村の中心を過ぎ、途中、占冠駅に立ち寄る。高速道路のパーキングエリアのような建物で、なかなか立派。特急停車駅の威厳を放っているが、人の姿はない。
日が暮れかけてきたので、本日の宿泊地・トマムを目指し、さらに車を進める。

同じ占冠村内でも、ニニウからトマムまではかなりの距離がある。日が沈み、辺りが闇に染まると、車の明かりだけが頼りとなり、一層距離感が鈍くなる。
そろそろ運転に疲れ果てた頃、ようやく奥深い山の中にアルファトマムが出現。敷地内で迷いながら、ようやく本日の宿にたどり着いた。


【2日目行程:トマム〜然別湖〜糠平湖〜上士幌〜足寄〜浦幌〜釧路湿原〜釧路(泊)】

2日目、今日も無理やりなスケジュール。運転者が2人いればこそ可能なスケジュールだが、それでも念のため、朝の7時半に出発する。

途中、狩勝峠の雄大な景色を見つつ、本日最初の目的地・然別湖を目指す。峠を下ると、ずっと農村風景が続くが、スケールの大きさは本州の比ではない。そのうち、平坦な直線道路は山道へと変わるが、その途中にある扇ヶ原展望台で足を止める。展望台からは十勝平野が一望でき、壮大な眺めにしばし心を奪われるが、スケジュールの都合もあるので、余韻を残しつつも先に進むことにする。

やがて然別湖に到着。湖畔に温泉街があり、ホテルと土産物屋が並んでいるが、規模はあまり大きくない。静かにゆっくり湯治を楽しみたい人向けか。
次の目的地・糠平湖へ向かう道は、しばらく然別湖の湖畔に沿っている。温泉街からの眺めよりも、木々の隙間から見え隠れする湖面の姿はずっと神秘的で、なかなか運転に集中できない。行き違いもままならない細道なので、事故を心配し、所々で車を路側に停めては、湖面を眺めた。

その後しばらく山道を進み、糠平湖へ。ここはダム湖のせいか、道路が高規格で整備されている。昔はここへ鉄道が通じていたというから驚きだ。糠平駅跡にある鉄道資料館を訪ねるが、ちょうど定休日に当たってしまい、肩を落とす。

下調べの甘さを後悔しつつ、糠平の集落を後にする。ここからは、足寄・本別を抜けて浦幌を目指す。足寄には足寄湖というダム湖があり、ほとりには道の駅がある。今日は湖尽くしだ。
それぞれの街は通過点に過ぎないが、山間の限られた土地に展開する街並みや農場、畑には、北海道特有の「色」がよくにじみ出ている。これは、自然の厳しさの裏返しでもあるのだろうが…

そんなことを考えるうちに、浦幌に到着。街中のコンビニでカップラーメンを買い、お湯をいただく。ちゃんと調べていれば、きちんとした昼食が取れたかもしれないが、夫婦そろって貧乏性なのであまり苦にならない。

遅い、質素な昼食を終え、いよいよ道東・釧路を目指す。ひたすら東へ走り、途中いくつかの駅に寄りながら、比較的早い時間に釧路に到着。昼食に時間をかけなかったおかげか。
まだ日没まで時間があるので、明日に予定していた釧路湿原に、夕暮れの景色を求めることにする。私は一度、鉄道で釧路湿原・細岡展望台を訪れたことがあるが、あの景色は何時間見つづけても飽きない。同じ景色をずっと見つづけることに、何の疑問も湧かないほど、スケールが並外れている。ガイドブックなどの写真とまた違った印象を受けるのは、かすかで広大な音響が生み出す、特殊な空気感によるものだとわかる。
陽がゆっくりと沈む様子を、何人かの観光客が無言で見つめている。誰も途中で帰ろうとはしない。そんな不思議な状態を共有しながら、やがて辺りは暗くなった。

真っ暗な道を市街地に引き返し、目に付いた回転すし屋にて夕食を取り、今日の宿へ。2日目にして最大の目的地、釧路湿原を堪能してしまい、あと4日も間が持つだろうか… そんなことを想いつつ、夜は更けた。


【3日目行程:釧路〜厚岸〜霧多布〜野付崎トドワラ〜中標津〜裏摩周展望台〜摩周湖〜川湯温泉(泊)】

3日目、今日は根釧台地を料理する。
早朝、宿を出発し、まずは厚岸を目指す。私は一度、鉄道で厚岸を訪れたことがあるが、バスで市街地の神社に向かったものの、帰りのバスはなく、迫る列車の発車時間に追われながら、必死に厚岸大橋を走り渡った苦い経験がある。
国道沿いの道の駅に寄り、高台より厚岸の街を見下ろす。新旧の市街地と湖、それに架かる橋など、どれをとっても美しい。

次に、霧多布湿原を経由し、霧多布岬を目指す。霧多布湿原は、茶内の市街地から南に広がる湿原で、釧路湿原ほどダイナミックではないが、湿原を貫く道路を走っていると、自分が虫になったような錯覚を覚える。
さらに進んで霧多布の市街地へ。想像より賑やかで、ここが浜中町の中心集落であることを知った。そしていよいよ霧多布岬へ到着。広がる緑に切り立った崖、眼下に広がる集落では昆布を干しており、北海道でしかあり得ない景色を、期待以上に堪能する。

次の目的地は野付崎・トドワラ。まずは厚床まで東進し、そこからひたすら北上する。
湿原と原野が入り乱れるなか、小集落が点在している。鉄道が通っていた頃は、もっと賑やかだったのかも知れないが、今は吸い込まれそうなほどの大自然が、ただひたすら広がっている。
標津町から野付崎へ向かう。途中で人家はなくなり、無人の番屋が点在する。そしてトドワラへ到着。観光客の姿が多いが、それを感じさせない広大さと、寂寥感がここにはある。歩いて遊歩道を散策し、馬車で駐車場へ戻る。なかなか訪れるのが難しい場所だが、見る価値は十分あった。

進路を西に取り、中標津の開陽台へ。ここから根釧台地を一望する。さらに西へ進み、裏摩周展望台へ。
私は以前、表側の展望台を訪れたことがあるが、摩周湖は深い霧の中で、3メートル先が見えないくらいだった。今回、初めて湖面を目の当たりにし、全貌を掴むことができた。
緑を経て野上峠を越え、さらに欲張って表側の第1展望台からも摩周湖を望む。こちらは湖面までの標高差が高く、高所恐怖症の私はちょっと引いてしまう。
本日の宿泊地は川湯温泉。私は2度目の訪問だが、温泉街には硫黄臭が漂い、情緒を掻き立てている。


【4日目行程:川湯温泉〜小清水原生花園〜網走〜北見〜遠軽〜旭川(泊)】

4日目は、あまり細かな予定を立てていない。オホーツク海を眺めながら、網走、北見を経て旭川を目指すが、距離感がつかめないので宿は決めていない。
小清水原生花園ではオホーツク海に佇んだが、花はシーズンオフでほとんど咲いていなかった。

次の目的地は網走だが、私はここも2度目の訪問で、あまり観光地としての魅力は感じなかった。市街地ではコンビニで飲み物を調達したくらいで、あとはひたすら網走湖岸をドライブする。
女満別・美幌を経て北見市街へ到着。釧路以来の都会的な街が展開している。ここで昼食と買い物を済ませるが、他に目的もないので、今日中に旭川まで進み、宿泊することにする。
途中、石北峠を下り、上川の市街地を過ぎるあたりで日没を迎え、あとはひたすら闇の中を進む。やがて旭川の市街地へ。永山あたりでは郊外店舗が並び、インターネット喫茶もある。そこで今日の宿を調べる。


【5日目行程:旭川〜留萌〜増毛〜滝川〜芦別〜歌志内〜新十津川〜札幌(泊)】

5日目も、あまり細かな予定は立てていない。日没までに札幌へ到着できればという考えで、ドライブを中心に楽しむ。
まずは北海道の横断を果たすため、日本海岸の留萌を目指す。さらに南下して増毛へ。そこから山を越え、北竜・滝川を経て芦別へ。赤平へ引き返した後、山を越えて歌志内へ。炭鉱で栄えた昔日の面影を探しながら、日本で一番人口の少ない「市」となった今を検証する。
歌志内からは砂川・滝川を経て新十津川へ。そこからJR札沼線沿いに南下し、夕方には札幌に到着。市内を散策する。


【6日目行程:札幌〜新千歳空港〜(飛行機)〜伊丹空港〜(バス)〜神戸・三ノ宮】

6日目。最終日は札幌を朝出発し、千歳駅や美々駅に寄りつつレンタカーを返却。空港でしばらく時間をつぶし、昼前に千歳空港を飛び立った。
札幌から千歳までは車の流れが悪く、また、伊丹空港から神戸・三ノ宮までは大渋滞で、バスに2時間半閉じ込められた。最後に大きく疲れたが、全体的に大満足の新婚旅行となった。


■後日談
私の周りのほとんどの新婚さんは、新婚旅行先に海外を選びます。私は海外に行ったことはない(そんな予算もない)ので、海外で得られる感動がどれほどのものかわからないのですが、新婚旅行から帰ってきた後、嫁様は「また何度でも北海道に行きたい」と言っておりますので、低予算の中で最大限、良い新婚旅行ができたのではないかと思っています。
また、特に2日目〜4日目あたりの道東のコースは、レンタカー旅行ではそこそこ定番のコースらしく、何人かの知人が同じようなルートで旅を楽しんだそうです。

最近、仕事で道央〜道南にかけて車で移動しましたが、北海道は日本の中では別格の景色と空気があります。機会があれば、紋別や稚内など北の方も走ってみたいと思います。
(記:平成17年7月20日)

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